木型の修正

靴の木型を補正する場合、貼ったり削ったりして思い描いている形へと手直ししていきます。その際に用いる材料は、パテか革を使うことが多いのではないかと思いますが、僕は主にロウを使った木型の修正をしてきました。しかしこのロウ、なんでもいいというわけではなくて木型補正に使えるロウは種類が限られています。そしてその限られた種類のロウはなかなか手に入りにくいものです。

ロウの補正は自作工房ヒロの斎藤先生が用い始めたもので(おそらくです)、僕が製靴の多くを教わったアンダンテ自由が丘で取り入れていた補正方法でした。ロウでの補正は若干脆くはありますが、その点を気をつければ寸法の微調整がしやすく、一番やりやすいやり方だと思っているのですが、その材料が手に入りにくいということは、工房利用する方が採用する方法としては、手に入りにくいという意味合いで扱い難いのではないかと考えました。

そこで、コルクを使った木型修正を取り入れようと思い、今作っている靴の木型をこれで補正してみました。実はコルクで補正するのは初めてではなかったのですが、コルクの素材を試しながらやったのは初めてで、薄いもの、厚いもの、目の粗いもの、目の細かいものと、いくつか試してみました。

画像の木型は半身に軽い麻痺のある方に合わせている途中のもので、工房にある木型ベースに補正するとかなりの厚みのコルクが必要になりました。コルクを用いる補正にもいくつか課題が見えてきましたが、材料としては近場のホームセンターで手に入りますし、いいのかなと思っています。

パテを使った補正もできますが、匂いが強く削る時に粉塵も舞うので、使いたくない。パテの補正は木目が細かくしっかりした硬さに仕上がるので良いのですけどね。

しかし工房にある木型ではちょっと多様性にかけるので、少しづつ種類を揃えていきたいと考えています。

 

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